1/1 足を通過する筒問題
とりあえず椅子にある程度座っていられる方法を考える。背もたれは必要なようだ。いつものように前傾姿勢でパソコンを打っているとじきに腰痛でいやになってしまう。かといって、腕を伸ばしてキーを打つのもあまりもたない。キーボードを手前に寄せ、椅子をぐっと近づけて、背もたれながら打てる場所を探っていく。椅子の高さもあれこれ調節。いつもはこんなことは考えもしないのだが。
靴下をはくのが面倒だ。靴下をはくにはどうやっても、片足を浮き上がらせなければならない。そして両腕をぐっと前に延ばさねばならない。これらの動作はどうしても腰をピキッとさせる。一瞬ピキッとするのはもうしょうがないとして、これが何度もくるのは避けたい。
自分がいつもやってる靴下のはき方は、なっていなかったことに気づく。わたしは、靴下をまず踵のあたりまでぎゅっと寄せて、筒状になったのをすぽっと足先にはめるのを常としていた(図下)。このとき、じつは爪やら足裏のささくれやらで、すぽっとはいかずにひっかかることがある。腰がなんともないときはそんなことは意識にものぼらなかった。
ところが、ギックリには、これが耐えがたい。ひっかかったならば、当然、もう一度靴下をはめ直すべく、再び爪先まで腕を伸ばさねばならぬ。伸ばせばあのビキッがまたやってくるのだ。何度か靴下をはいてようやく、このきわめて基本的な問題に気づいたので、今は靴下を先の先までぎゅっと寄せてからはくようにしている(図上)。
もうひとつ。ギックリにとって、足を宙に浮かせたままにしているというのは意外な負担だ。靴下だけでなく、ズボンや下着をはくとき、普段は片足ずつ宙に浮かせるのだが、これはもうビリビリのビリでなんともイヤな痛みを伴う。靴下の場合は、足をまるまる浮かせるのではなく、踵をつけたまま先っぽをはめ、するすると寄せてあった部分を踵に向けて延ばしていき、踵のところにきたらそのときだけひょいと浮かして、また踵をつける。これでもだいぶん違う。
ズボンや下着の場合も、筒の部分を寄せることができるのであれば、ぎゅっと寄せて、足裏や踵を通過する時間を一瞬に縮める。
筒状のものが足先を通過する問題は、もう少し考えようがありそうな気がしている。
昨日は大晦日だったのでけっこう酒を飲んだのだが、酒は腰痛によろしくないそうで、今日からは摂生。正月だというのに物足りないがしかたない。午前中、原稿。というか、先の姿勢調整を考えている時間の方が長かった。
夕方、実は見たことのなかったキャメロンの「タイタニック」を見る。長くて閉口したし、主人公のカップルにもあまりぐっとこなかったけど、キャメロンがこのときから3Dの人だったのだということは、冒頭の海底探査のシーンをはじめ各所でわかった。
みなもと太郎原作の「風雲児たち」。腑分けの虎松の場面が、原作の勢いを感じさせて楽しい。前野良沢の最前線の孤独。もう少し細かいところを味わいながら倍の長さくらいの連続ドラマで見たかった。それにしても神経が痛い。