「ディーコン・ブルース」の成立の背景については、「Deacon Bluesについて(M. Myers “Anatomy of a Song” より)」を参照のこと。
“ディーコン・ブルース”
ついにやってきた意識拡張者の日
あれはおれの影
かつてはあそこに立っていた
つい昨日みたいだ
ガラス越しに見ていた
ごろつき、ギャンブラーたちを
いまはみんな過去
馬鹿だと言うかい
そんな考え方は狂ってると
でもこれは本物
もう夢を買ってしまったのだから
問うても無駄
キスしてサヨナラ
今度こそやってやる
越える覚悟はできているあの一線
[Chorus]
覚えてみようサクソフォン
ただただ感じるままに吹くんだ
スコッチ・ウィスキーを一晩中
そしてハンドルを握ったまま死ぬ
この世の勝者に名前があるなら
敗者にも名前をくれ
アラバマ大が「クリムゾン・タイド」なら
おれの呼び名は「ディーコン・ブルース」
もうあとがない
これじゃお笑いものだ
渡すものか
本物のロマンスのエッセンス
おれたちが知り、愛したものを分ちあおう
おれみたいなやつらと
酒
啓示
この身を揺さぶる
ヘビみたいに這い回るのは
郊外の通り
女どもと乳繰り合うのは
けだるく苦く甘い
日暮れとともに起き上がり
街のことならまかせとけ
この世界はおれのもの
この世界をおれのホーム・スイート・ホームにしてやる
[Chorus]
ついにやってきた意識拡張者の夜
最後の一発をキメて
そろそろ行き止まりってところか
泣いてしまった、この歌を書き終えたとき
教えてくれ、プレイが長すぎたら
おれさまは自由
やりたいようにやるさ
[Chorus]
by D. Fagen and W. Becker (試訳:細馬)