オンラインの演習を行うとき、悩ましいのが、映像と音声の同期だ。とくに映像分析や相互行為分析では、コンマ何秒の同期が問題となるため、相手に映像と音声をよいタイミングで送信しなければならない。
ZOOMのような配信ソフトを介して、動画やELANの分析画面をどのようにシェアしたらよいか。わたしは自機のMacBook Airでいろいろ試行錯誤したが、なんとか解決にいたったので、紹介する。
入手すべきものは、マイクロフォン(安いものでよい)、そしてマイク音声と外部からの音声入力とをミキシングして、パソコンのUSB端子に送り込むことができるミキサー。わたしの場合は、YAMAHAのAG03を入手した。オンライン配信で広く使われている機種だ。
これを図のように配線する。いたってシンプル。
・パソコンの音声出力→ミキサーへ
・マイク音声→ミキサーへ
・ミキサーのUSB出力→パソコンのUSB端子へ
・ミキサーの音声→ヘッドホンでモニタ
これで、パソコンのソフトウェア(ELANなど)から流される音声を、ZOOMの参加者に送ることができる。この音声はミキサーを介してヘッドホンできくこともできる。
また、ZOOM会議での参加者の音声も、パソコンからミキサーに送られてくるので、同じヘッドホンできくことができる。
実は、パソコンから音声出力したものをもう一度USBで送り返した場合、いわゆるフィードバックループが発生してしまうのではないかと危惧していたのだが、実際には、ZOOMはこちらの音声をフィードバックしないことで、混線を避けるしくみになっているので、この配線でうまくいった。
ZOOMの「画像の共有」でELANなどのソフトウェアのウィンドウを選び、映像と音声を流すと、ほぼ通常の動画を見ているのと同じタイミングで映像と音声が同期する。これで、ELANで動画を確認しながら、ディスカッションすることができる。
ただし、回線が細いと、映像がガクガクするなどの現象が出るので注意。映像を用いた研究会やゼミを行う場合は、あらかじめ分析対象となる動画をファイル共有しておくか、YouTubeに限定公開して、それぞれの参加者が手元で動画の内容を確認できるようにしておくとよいだろう。