- 20001029
- とりあえず、「ショアー(作品社)」と「Shoah : The Complete Text of the Acclaimed Holocaust Film」を注文。
ショアー関連のページがあるかと思って、Lanzmann, Shoahのタイトルを持つページを調べると、やたらと歴史修正主義のページがひっかかる。(たとえばThe Journal for Historical Review とか。)ディティールがよく描かれていることを評価する態度には、落とし穴がある。人の証言は細部までつじつまが合い、それが一つの真実を構築しうるものだという考え。それは、人を真実にたどりつかせるのではなく、懐疑的にさせ、歴史修正主義を支える。 人の記憶が変成してしまうことは必ずしも珍しいことではない。それが限られた情報しか得られない状況での衝撃的なできごとなら、なおさらだ。物語の信憑性を細部の整合性に求めるなら、実はどんな物語も破綻せざるをえないのではないか。 問題は、細部においてつじつまがあっているかどうかではない。細部の破綻がどのような形を取っているかだ。破綻にこそ物語の起点がある。
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