- 20000103
- もう誰かが似たようなこと書いてそうでなにをいまさらだが、「LOVEマシーン」について思いついたことを。
さて、LOVEマシーンといえば「つんく:作詞・作曲、モーニング娘:歌」、とまず著作権を明らかにしたところで、盛大に引用させていただくとダイナマイト。恋はDYNAMITE。まずこの英語圧縮効果あーんどサンドイッチ効果ですね、LOVEマシーンは。英語の速さでやたら情報が圧縮されてるCHOCOLATE。ちーよーこーれーいーと、ちゃいまっせ。CHOCOLATE。の、スピードでそれまで言ってたことを一言で結論する、これが英語圧縮効果。 で、この圧縮効果をさらに高めるのがサンドイッチ効果。辞書引いても出てきません、ええねん、なんでもナンタラ効果て言うといたら。つまり、「恋愛って→いつ火がつくのか」「いつ火がつくのか→DYNAMITE」。この二つを「いつ火がつくのか」をはさんで強引に食わせるわけです。「恋愛っていつ火がつくのかDYNAMITE」、はい、サンドイッチいっちょあがり。具を抜き取ると「恋はDYNAMITE」これがサンドイッチ効果。 さて、このダブルの効果がいわば時限爆弾となってあとで効いてくるわけです。そう、はじめて聞くと一瞬当惑するあの箇所。「日本の未来は(Wow*4)世界がうらやむ(Yeah*4)恋をしようじゃないか(Wow*4)」、ここの揺れがなかなかにインチキくさくてええなー、と思ってるわけです。 だって「日本の未来は→世界がうらやむ」ってこのご時世に言われてもウソまるだしなわけでしょう。そんなまるだしを言い放っておいていきなり「世界がうらやむ→恋をしようじゃないか」と、国家レベルから個人に突入する。つまり国家の責任はおまえがとれと。「世界」をはさんで国家と個人をサンドイッチで食わせたろ、という強引な大詐術に聞こえるわけです、ここが。「日本の未来は恋をしようじゃないか」日本語おかしいやないけ、そう思うわけです。それも含めて、だまされたろやないか、そんな気になるわけですね。だまされる自分を止められないのが恋。 さらに加えるなら、娘の左半分が言うてるWowとかYeahとかもクセ者ですね。「日本の未来は→Wow*4」にも聞こえる。未来はどこいくねん。うぉううぉうにいくねん。世界がうらやむのはいえいいえい。ヤケクソです。ご時世にしっくりきます。 これらウソヤケクソが入り乱れてどこでつながっとんねん、といいたいところでいきなり英語圧縮されてDANCE。だーんーす、ちゃいまっせ。おーまーえーはーだーれーじゃ、ちゃいまっせ。DANCE。つまり日本の未来はDANCEだし、世界がうらやむDANCEだし、恋をしようじゃないかDANCEだし、早い話が何もかもあの田植え踊りみたいなDANCEに圧縮されるわけです。 そして、あの多方面に発散し過ぎている娘たちがきらきらーっとするのが二番です。「あんたの笑顔は→世界がうらやむ」とミエミエに励ましておいて、しかし「世界がうらやむ→夢があるんじゃないか」と責任をこちらに押しつけるんですね。すなわちサンドイッチ効果で「あんたの笑顔は夢があるんじゃないか」あんた、と言われるわたしの夢は、ねーちゃんの笑顔に裏返るわけです。そんなねーちゃんの塗りすぎた口紅が、暗がりの中でふとええ感じに見えてくるMYSTERY。恋はMYSTERY。 とはいえ、これらの英語がいわゆるNOVA英語だと圧縮も鼻についてしょうがない。で、そこを、微妙にお里が知れる下品さにおとしめているところがこの歌のいいところ。fu-fu-をふーふーだの夫婦だのと笑えないダジャレ。そしてきわめつけは、らーぶらーぶらーぶマシーン、らーぶらーぶらーぶステーション、らーぶらーぶらーぶファクトリー。きらきらでぺらぺらの、アルサロピンサロの帰りにたどりついた場末のキャッシングマシンみたいな英語、J-POP未満の歌謡曲が進化したといっても過言ではないヒトゲノム計画、歌詞カードにもちゃんとカタカナで書いてあるのが念が入っている。根性悪そうでもしかしたらその辺歩いてるやつの方がよっぽどマシかもしれへん、そんなねーちゃんが、ふとけなげに見えてくる。そんなねーちゃんにだまされる自分を知る、それが日本の恋、どこが日本やねん、それはうぉううぉうでいぇいいぇいで、脱臼したよな腰つきと足つきのええじゃないか踊り。だーんーす、ちゃいまっせ。といったところで、また次回。
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