19990823朝の仕事。本の送付。13.1kgで104CHF。高いけどまあ幼児一人分の重さだからしょうがない。お次はメールチェック用にインターネットにつなげる場所を探す。ガイドブックには2時間で70CHFなんてとんでもないカフェが紹介してある。ツーリスト案内所で、とにかく安上がりな場所を尋ねると、なんだ、ちゃんと無料のカフェがあるじゃないか。というわけで、久しぶりにネットにつなぐ(ただし非日本語)。 ベルンの町並みのおもしろいのは、地下室への扉がほとんど蓋って感じの角度で通りに面していること。そこにはたいてい一階とは別のテナントが入っている。じゃショーウィンドウはどうする? ってわけで、各アーチの柱には、地下室用のウィンドウが設置してある。テナントの種類は通りによっていろいろで、ブランドのアンテナショップが隣り合っているところもあれば、古物商が入っているところもあるし、パペットシアターやミニ映画館、ヘッドショップが入っている通りもある。 石畳のところどころを覆っている鉄板もただの蓋ではない。それは運搬用のリフトで、上がったり下がったりする。 本を送ってしまうと妙に物欲が復活。本屋の子供向けコーナーに置いてあった「建物はどのように天に聳えるようになったか?」という新刊。ヨーロッパを中心に建築方法から都市デザインまで分かりやすく紹介してある。鉄道模型屋でNochのカタログ。Nochは特に木とか人とかのジオラマ小物が充実している会社で、しかも各アイテムがとても中欧っぽい。石畳のテクスチャや家のデザインがたまらん。鉄道模型マニアが語る風景論って聞いてみたいな。 KirchBlucke近くにTeo Jacobという名前の店がいくつか入っている。多くは無人で、狭い部屋の中に気の効いた灯りを使ったインスタレーションがしてある。その無人さ加減が、どこか完全犯罪っぽくていい。部屋というよりも箱。街に箱。ジョセフ・コーネルの箱みたい。あれ、このミニチュアの椅子ってイームズのデザインじゃない? あちこちウィンドウを覗いてたら、あれ、なんだかトチ狂ってる店があるぞ。カラスはあさっての方向に止まってるし、マネキンに毛皮、用途のわからないガラクタいろいろ。ウィンドウの脇には古風な電話が置いてあって、「御用の方はこれを鳴らしてね」だって。ダイヤルすると、中でベルがチリンチリン鳴って、店主がドアを開けてくれる。あけっぱなしのウィンドウからじかに呼んだ方が早いと思うんだけど。 で、中に入ると、潜水帽だの人力髭剃りだの自動ネジ巻き式電話タイマーだのくだらない珍(もしくは珍以下)発明、それにホルマリン漬けに教材掛け軸、その取り合わせがとてもヘン。「そう、ヘンなのよ、こういう風に並べるのが気持ちいいの」そして、ここにはなぜか古式ゆかしいネズミ獲りが。「そう、ここにチーズを刺して、この針金をこっちにやって、チーズをぱくん、ほら!首がキュッ。ネズミだけじゃなくてお母さんにも使えるわね。」mother-in-law(義理のお母さん)にね。「それよ!」いい店だ。戦前のPopular mechanics magazineを買って帰る。 その他もろもろ。月曜で、さほど店は開いてないってのに、こんなに買ったら元のもくあみだよ。歩き疲れたので力をつけるべく夕食はレストランへ。セルフサービスでパスタが9CHF(それでもスイスでは安い方)。と思ったらうわあ、またどっちゃりにっちゃりだよ。半分食ったところですっかり食欲が失せてしまった。 夜、物欲の結果を眺めてぼんやり。昼間買ったスケッチブックと色鉛筆でいたずら描き。 |