19990822日曜の町は静か。安息日だから、じたばたせずに思索にふけろう。というわけでBarenplatzのカフェでかちゃかちゃ打ち込む。パノラマの、一点突破的なその奥行き錯誤の技術について。 しだいに日が高くなり、広場の日向が広がっていく。日向の大きさにカフェの客が増えていく。 午後、スイス・アルプス博物館に行くつもりが、橋をひとつ間違えて熊のいる場所まできてしまった。熊も安息日らしくぼうっとしている。おっと生ビールだ。ちょっと飲んでいこう。しかしこの谷底と谷上に分かたれている町の構造はすごいな。谷底に今日はいい具合に陽がさしている。くっきりといい影が映っている。のぞきこんでいるとうっかり川に飛び込みたくなる。もちろん落ちたら即死だ。 Gerechtigkeitgasseを戻る。どの店もウィンドウに工夫がしてあって、閉まっていても楽しめる。Das Bauhausというバウハウスの玩具を売っている店があった。明日寄ってみよう。人形シアターもあっておおいに気になる。 スイス・アルプス博物館で、ちょうどホドラーの大作とパノラマ館についての展示をやっていた。カタログにはホドラーが関わったパノラマ画についてもあれこれ書いてある。こうなると、Kunstmuseumのホドラーの展示も気になる。 20時から21時。暮れなずむ公園を散歩。ベンチに座ろうとすると、いきなり「そこに座っちゃダメ!」と遠くから大声でどなる男。あんたの家なら印でもつけとけよ。かと思うと暗がりに座っていた若い女がゾンビのように近づいてきて2CHFをねだる。薬でぼろぼろか。もっと小ぎれいな観光客もいるのに、誰彼かまわないんだな。まあ、ベルンへようこそってとこか。 |