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20020919







 起きると雨。つまり、これはインドアでできることをするための時間なのだな。となれば予約だ。朝食を食べてから開いたばかりの旅行代理店に行き、ポルトガル行きの便をとる。チューリッヒ発ミラノ経由のがとれた。代理店への支払いも含めて415CHF(約35000円)。高いことは高いが、トラベルチャンスなのだからしかたがない。旅に出るたびに、日本で周到に予約すれば安く上がるのにと思う。しかし、周到に予約したのではチャンスにならない。

 外を出ると雨は止んでいた。雲行きは怪しいが、散歩チャンスということにする。駅前をぐるっと歩いて気づいたが、ここにはなんと「パノラマシュトラッセ」なるものができつつある。駅前広場の両側に、それぞれ半円型の大きなビルが建っていて、駅から見て右側の方がどうやら「パノラマ通り」らしい。湖岸が見えるということでそう命名されたのだろうか。いまはテナントを募集している段階のようで、広場の正面にはさっそくスターバックスのマークが入っている。

 ここから湖岸に向かうと、急に人のにぎわいが減る。湖岸の公園にはトゥーンのパノラマがある。

 入口を見ると、三年前と同じ係の女性がいて、三年前と同じように近所の人と立ち話をしながら犬をかわいがっている。料金を払って中に入るときに、三年前と同じように「写真はダメですよ」と言われた。
 久しぶりに見たトゥーンのパノラマは、やはり今まで見たパノラマの中でもひときわすばらしかった。小さいながら、見れば見るほどあちこちに見所があって、しかもそのひとつひとつに、生活の秘密が現れ、隠れている。

 いったん出てから街に戻り、パノラマの管轄をしているというKunstmuseumに行って、係の人に研究に使う旨を話して撮影許可をとる。Coopの食料品売り場でパンとハムと飲み物を買って宿で昼食。それからまた公園に戻ってパノラマのディティールをあちこち撮影する。

 公園を散歩。森を抜けて湖岸に出たときの驚き。木々の枝の隙間から遠い山々が現れる。歩くにつれ、枝と山々の遮蔽関係が予想以上に変化する。ほとんどめまいがするほどだ。こちらの想像をこえるほど、あの山々は遠くて大きい。
 今日は一日中低い雲が空を覆っていたが、空に雲があるのはまんざら悪くもない。空と木々、空と建物の遮蔽関係が歩きながらみるみる変わるのがわかるからだ。それによって城の大きさ、城壁の大きさがしれる。

 街の夕暮れどき。今日も軍人と観光客で賑わっている。宿のウェイトレスの話では、トゥーンには軍の教育施設があって、自由時間になると、みんなハネをのばしにやってくるんだそうだ。

 さて、明日は晴れなら思い切ってインタラーケン、曇りならおとなしくベルンに移動。

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