Texture Time: 05 October 1996
丹波橋 -> 香里園
Texture Time: 96/10/05
こうあつせんのちかくにすんでいるのはからだにわるいんですって、と画廊の女性
は言った。
96.10.5 3:19 PM
高圧線には「電線に注意」とかかれている
96.10.5 3:19 PM
その高圧線の横を通って淀の競馬場を過ぎ
96.10.5 3:20 PM
やがて河原に出る
96.10.5 3:20 PM
伸び過ぎたすすき
96.10.5 3:21 PM
河原のすすきは身の丈をこえ、斜めに伸びた葉が重たげに風をうけ、それが穂をぐ
らぐらとゆらせる
96.10.5 3:22 PM
前にすすきをみたのは京都駅で
96.10.5 3:22 PM
ホームに並ぶと、前の女性が花をもっていた。
96.10.5 3:23 PM
白く巻いた紙に「未生流」とある
96.10.5 3:23 PM
一本すすきがまじっていて、ああ今日は十五夜なのだとわかった。
96.10.5 3:24 PM
女性の腕からのびたすすきはぼくの花咲まで来て
96.10.5 3:24 PM
穂先についた種の並びをぼくに見せる
96.10.5 3:25 PM
間近では種は意外にふぞろいで
あちこち穂からはがれて、ひとふきすれば飛んでいきそうだ
96.10.5 3:26 PM
たぶん離れて見ればすらりとしたすすきだ
96.10.5 3:28 PM
ビルを立てるクレーンが街並みのあちこちに伸びている。
96.10.5 3:32 PM
「伸びる」とかいたとたんに「上」への意志を感じ取った自分を感じて
居心地が悪くなる
96.10.5 3:32 PM
それらはむしろ、どこに意志があるとも知れず、ただ眼の水平線を越え
96.10.5 3:33 PM
月にかかる
96.10.5 3:33 PM
月に眼の水平線を移し、垂直方向に線を見下ろす。
それらは地面でくっきりと折れていく直線たち
96.10.5 3:35 PM
折れることで遠く近くに面を作り
96.10.5 3:35 PM
空間を作る
96.10.5 3:35 PM
空間を作るためにぼくは線を伸ばす
96.10.5 3:36 PM
空間への意志
96.10.5 3:36 PM
列車が通るためにはりめぐらされた幾筋もの線のように
96.10.5 3:37 PM
距離を明確にし移動を可能にする技術
96.10.5 3:37 PM
prev.....
menu.....
next