Passage Bradyから南に下がったところ。西から入って途中で南に折れる。角にはホテル・プラドがある。
アールヌーボー調の「漆喰」飾りが独特。パサージュの多くが鉄を基調としているのとは対照的だ。よく見ると、真ん中にはガラスがはまっている。漆喰の固さに透明なガラスを組み合わせることで透かし感を出そうとしたのかもしれない。
しかし、ガラスが汚れているせいもあって、この飾りが面々と天井に並ぶと、パサージュの軽さに独自の重み(野暮ったさともいう)が出る。そこが味でもある。
ホテルプラド前は少し広がりのある小さなロトゥンダになっている。ホテルを出た客は、いきなりパサージュの雰囲気に飲み込まれることなく、このぽっかりした空間に立つ。しかし、そこは戸外でもない。その証拠には天井に、これまた何とも野暮ったい放射状の漆喰飾りがある。
インド、スリランカ(シンハラ文字の店はそうだろう)、トルコ系の店が目立つ。散髪屋はいつも繁昌している。通りに人がいないな、と思っても、サロン・ド・テ(喫茶店)を覗き込むと奥までいっぱいだったりする。
日曜には大方の店は閉まってしまうが、ホテルと散髪屋と入口のバーは開いている。パサージュの鉄門には出入り用の小さな門が付いていて、そこから出入りする。