街を歩く人々の足取りは緩やか。何かを始める必要がない気楽さ。今度の部屋の近くにはオーガニック系に強いスーパー。やたらとオーガニック、オーガニックと書いてあって、必要以上にorganizeされる感じ。
昼過ぎから、強烈に一人静かにしていたい気分に襲われ、複数のパーティーを断わり、一人で部屋にいることに。グールドの旋律が分かたれていくのを聞きながら頭に浮かぶよしなしごとに焦点を移していく歳の暮れ。
荷物を解いて、あれこれ物を再配置。 パソコンの電源が接触不良で難儀する。修理屋は休みだし、ちょっとワイルドだが、ドライバの先で筐体をとんとんと叩いて直す。
夜、アーロンが上で飲むんだけど来ないかと誘い。ちょっと飲みに行き、ウィル・フェレル主演の「アンカーマン」のDVDを見る。70年代のニュースキャスター攻防。70年代だからTV局はまだ、とてもマッチョ支配。そのマッチョ表現も含めてよく出来ている。お笑いなんだけど、スクリプトがしっかりしていて、見てて飽きない。動物の扱いも底抜けで楽しい。
本当はゆっくりと引っ越すつもりだったのだが、突然、台所で床のひっぺがしが始まってしまった。ヘイデンが床の張り替えを頼んだら、さらに徹底的に床下からやり直すことになったらしい。どうにも修理の音や埃で落ち着かないので、シマコさんとアリに電話で無理をお願いして、今夜中に引っ越しを敢行。シマコさんはぼくの風邪を慮っておでんを作ってきてくれた。いつもながらありがたい。引っ越しといっても蒲団と本がちょろちょろあるくらいで、家具つきから家具付きの部屋に越すので、あっという間に終わる。三人でタイ料理を食べる。部屋になじむべくあちこちに座ったり、壁に貼ってあるものを取り替えたりいろいろ。
夜になって、レジーが帰ってきてパーティーに誘われる。パーティーといっても同じアパート棟の別の部屋なので、階段を上ってすぐそこだ。
あまり体調がすぐれないので、軽く缶ビール一本だけつきあって午前一時ごろに引き上げる。
どうやらこのアパート棟の連中はお互い知り合いらしく、棟内で部屋を移動することもよくあるらしい。各棟の居間はアパート全体の共有スペースのようになっていて、人の出入りがけっこうある。パーティーに疲れた奴らが居間に戻ってきてさらに盛り上がっているが、構わずに寝る。
昨日のバスの寒さがこたえたのか、風邪のもよう。外に出ずなるべく暖かいところにいることに。大雨でロサンジェルスもうそ寒い。