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20020906







 朝起きてパッキングと食事。9時にもう一度パノラマ・ラツワヴィツカへ。
 Kasaに通訳を頼んで、館長のRomwald Nowak氏に資料を見せてもらいながらあれこれ話を聞く。エッターマンやベランの本ではやや力点が弱い中欧のパノラマ(プラハ、ハンガリー、ブルガリアなど)についていろいろ分かることがあった。また、中国は建設中のものも合わせると、なんと9個のパノラマがあるらしい。その中には抗日戦線のパノラマもある。中国こそは現在いちばんパノラマ興業を成功させている国といえるだろう。




 ヴロツワフのトラムの停留所には地図と番号案内が載っていて便利なのだが、マクドナルドが広告主なのか、必ずマクドの場所が書いてある。
 ヴラツワフのトラムの改札機は、ワルシャワやクラクフとはちょっと違って、切符を突っ込んでもうんともすんともいわない。他の人がやるのを見ていると、どうやら、上に出っ張っているメタル片がレバーになっていて、これを手前に引くと、パンチ穴が開く仕組みらしい。

 やってみると、穴が開くだけで、日付も時間も入らない。これだと、いつ改札したかわからない。やましい心をおこして、使用済みの切符を持っていれば、何度でも検札がきても大丈夫なのではないか。

 トラムを乗り継ぐうちに、謎が少し解けた。改札機をよく見ると、3*3で計9つの穴が開いている。何の穴かと思ってのぞいてみると、ねじが縦になったり横になったりしているのが見える。



切符を改札してパンチ穴と改札機を比べてみると、ちゃんと穴にあたる部分ではねじが縦になっている。

 そういうことか。

 つまり、トラムごとに改札機のねじを切り替えておけば、計算上は2の9乗=512通りの穴のパターンが得られることになる。これでは、あらかじめ乗ったトラムと同じパターンの穴をあけておくのは難しい。
 それにしては、検札しない人がかなり多いのだが、回数券か定期でも持っているのか。それとも検札が来たらそのときのことってことなんだろうか。




  市場のホール Hala Targowaに寄って、ヴロツワフの歴史に関する本を買い、ホテルの荷物を引き上げて中央駅へ。今日はカッセルへの移動日。あらかじめトマス・クックの時刻表で検討しておいた通り、11:37ヴロツワフ発の列車に乗る。予定通りに行けば夜遅くにはカッセルにすべりこむはずだ。

 最後尾のトイレに行くと、電車には最後尾に運転室も車掌室もないことに気づいた。すぐ足下に線路がある。まっすぐな線路の上に、黄色い落葉が次々と風で巻き込まれては遠ざかっていく。
 ポーランドとドイツの国境はほんの小さな川。ドイツ側の岸に優雅な建物。そこから農耕地の使い方がやけに整然としだして、駅から急に造作がゴージャスになる。
 整然たるドイツ。ところが、あてにしていたドレスデン16:19発フランクフルト行きが運転取り止め、しかもライプチヒ方面の運行が次々と変更になっている。なんだ、まるで整然ではない。さんざ待って、とりあえず遅れて着いた17:00発ライプチヒ行きに乗ったが、車掌が、この電車でライプチヒに行ったのでは今夜中にカッセルに着けないと言う。それからドイツ語であれこれ地名を言ってくれるのだが、よくわからず困っていると、後ろから自転車を押しながら来たドイツ青年が英語に訳してくれる。その物腰が院生の成田くんによく似ている。

 で、その成田くんの訳してくれたところによれば、Gloubitzというところで降りてバスがRiesaというところまで出ているので、それに乗ってライプチヒまで行き、そこから乗り継ぐ、ということらしい。「成田くんには助けられたねー」「成田くんダンケシェーン」などと、相方と二人で感想を述べあう。

 結局、ライプチヒには予定の時間より少し早めに着き、人の気配のないEisenach(バッハの生まれた街)で乗り継いで、カッセルに着いたのは夜の22:13。

 ホテルは駅のすぐそばで、おそらく今回の旅でいちばんいい部類だと思う(値段が)。部屋に入るとTVがつけっぱなしになっており、そこに「Welcome! Hiromichi Hosoma」という文字。なんだこいつは。ドラえもんTVか。料金確認だの目覚ましだの、ドラえもんにはいろいろ機能があるらしい。

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