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朝４時、まだ暗い中をクーフシュタイン通りまで歩き、タクシーをつかまえる。鞄をトランクに入れようとして運転手が「こりゃえらく重いね、何？」と尋ねる。「本なのよ」「本？」ラジオからはにぎやかなドイツ語のヒップホップ。 Zoo駅から朝いちばんのアムステルダム行きに乗る。ハノーバーまでは、小麦畑に真綿を乗せたような朝もやが小麦畑を覆っている。それが曖昧な霧となり、オランダに入ると、ウソのようにクリアな空になる。 アムステルダムに降りる。よほど飛行機をキャンセルしてオランダに長居をしたい気分になったが、ぐっとこらえて空港に直行。 ＫＬＭの機内食はどうも口に合わない。時差があるので、半端な時間に半端にいろいろ食い物が出てくるのだが、どれもすかすかした味で、なんだかニワトリ工場にいるニワトリのような気分になってくる。腹の調子がおかしくなる。眠ろうにも腹に気がいってうまくいかない。そしてきわめつけの、ぬるいカップラーメン。 |