12 Songs
by Randy Newman (1970)
試訳 by EV
(Sail Away 全訳はこちら->)
"12 Songs"
by Randy Newman
Reprise Records 6373-2, released February 1970
Produced by Lenny Waronker
あいつ知れへんか
あいつ知れへんか
外で見いへんかったか?
なあ、もう気い狂いそうやねん
なめたマネしよって、あいつ
牛乳屋と居(お)ってんで
そこを歩いとってん
もう手え切ったんやったら、牛乳屋
あいつ返してえな
待て、待てて、待てちゅうねん
待て、待てて、待てちゅうねん
なあ、もうえらい経つねん
あいつ出ていってから
待て、待てて、待てちゅうねん
ジプシーと居(お)るのも見てん
木んとこで踊っとったわ
いっつも裏切りよんねん
ええことしてくれた試しがないねん
そやから言うてん「頼むからよそ者(もん)と話さんといてえな」
そやけど、いっつも話しよんねん
こない言いよんねん「よそ者と話そうがわたしの勝手やん
わたしかてよそ者やし」
待て、待てて、待てちゅうねん
待て、待てて、待てちゅうねん
なあ、もうえらい経つねん
あいつ出ていってから
待て、待てて、待てちゅうねん
▲
とうもろこし畑を焼いて
焼いてまおか、とうもろこし畑
焼いてまおか、とうもろこし畑
きっとな、ぽんぽんはぜよんで、焼いたら
どんぐりの樹んとこにおれ
どんぐりの樹んとこにおれ
あぶないから来るまでじっとしけや
ああ、ええ感じやろな
今晩寒いしな
火欲しいもんな
焼けたらあったかいで、明るいで
どんぐりの樹んとこにいとけ
どんぐりの樹んとこにいとけ
あぶないから来るまでじっとしけや
焼いてまおう、とうもろこし畑
焼いてまおう、とうもろこし畑
ええことしたるわ、焼けてるまに
▲
ママ・トールド・ミー
ウイスキーの水割りにいたしましょうか
それともお紅茶にお砂糖?
って、あいつらなにをしょうもないことばっかり
ぼくにきくねん?
こんなむちゃくちゃなパーティー知らんわ、ほんま
あ、電気つけんといて、もう見てられへんわ
ママが言うたはずや、行かんときて
ママが言うたはずや、行かんときて
ママが言うとった「あないなもんどこがおもろいのん」
窓開けてえな、外の空気入れような
もう吐きそうやねん、なんやあの匂い、えげつない香水や
悪いけどそのタバコもな、かんべんして、死んでまいそうや
窓開けてえな、ちょっと息つかして
ラジオががんがん言うとる、誰や、ドア叩いてんの
ホステスの娘かていつまでも持たへんで。あ、フロアに行ってしもた
なんもかんも見たことないもんばっかりや
なんもかんもよう知らんけど、もうええ、見とないわ
ママが言うたはずや、行かんときて
ママが言うたはずや、行かんときて
ママが言うとった「あないなもんどこがおもろいのん」
▲
スザンヌ
キミの名前見つけたんはな
電話ボックスやねん
キミのこと、なんもかんも書いてあってん
こらすごい、ほんまかいな思うて
番号写して
住所も調べてんで、スー
ほんでな、もしかしたら
好きになってくれるかもしれへん思て
こうやって待ってんねん、暗いとこで
はよ来えへんかな
こうやって待ってんねん、暗いとこで
はよ来えへんかな
来たらこっからぽーんて飛び出して
そしたらキミ、ぼくに釘付けや
ほんでこの指でさらさらの髪かきあげて
もうめちゃめちゃ愛したんねん
ちゃう、ぼく何ロマンに走ってんねん
こんなんぼくらしないわ
それよか、こう腕を回して
一晩中揺らしたげるわ
スザンヌ、知らんやろうけど、すぐうしろにおんねんで
逃げんといてな、ええ娘やから
どこにおってもわかるねんで
キミが映画に行くいうときは
行くてわかるねん
誰も連れてこんときや
ぼくがいくからな
スザンヌ
▲
カミサマお願い
もうけっこうです、小娘は
目きらきらさして
みんなぼくのこと恐がりよるんです
今晩は「オンナ」をお願いします
もうけっこうです、赤んぼみたいに抱えたらなアカンのも
赤んぼやったらぼくかて昔やってたちゅうねん
もうけっこうです、キャーキャー言うのんは
お願いですから、小娘はカンベンして下さい
よろこばそ思うて部屋に呼んだんですわ
カリフォルニアワインにフランスの香水も用意して
そしたらね、戦争の話なんか始めよるんでっせ
言うたったんです「戦争の話やて、そんなんしとうない」て
メガネかけてるようなんも遠慮しときますわ
お高くとまっとるのんも困ります
夜学かよてるようなんもやめときますわ
ぼくを愛してくれる人をお願いします
どうか願いをかなえてください
どうか願いをかなえてください
どうか願いをかなえてください
▲
ルシンダ
会うたんは夏の夜やった
日が落ちて
ルシンダ、ビーチに寝っ転がっとってん
卒業式のガウン着て
毛布にくるまっとってん
(どうやったらええんか知っとるみたいやった)
ほんでぼくも横に寝っ転がってん
でな、こそっとも音立てよらへん
そしたらビーチの向こうから清掃員が来よんねやんか
紙をがーって集めて砂ならしとんねん
「ルシンダ、ルシンダ、ルシンダ、はよ逃げな
白いごっついトラックが来とるで
ここにおったらつぶされてまうで」
というわけで、現在ルシンダはカリフォルニアの砂の下に横たわっております
清掃員の車に埋められてしまいましたとさ
ルシンダ、ルシンダ、ルシンダ、もうええねん
高校に通たんか
低校に通たんかしらんけど
もうどこにも行きようがありませんな
▲
黄色い人
遠い遠いよその国に
黄色いオンナと黄色いオトコが住んでます
もう長いこと住んでて
ぼくらがここにくるよりずっと前からその国に居(お)ったいう話です
米をいちんちじゅう食ってます
子供が遊んどるときも食ってます
つまり、大切なんですな、
家族ちゅうもんが
あんたやぼくとおんなじですわ
黄色いおっちゃん、黄色いおっちゃん
わかりまっせ、そうでっしゃろ、わかりまっせ
自分の金をしっかり握って
黄色いオンナと居(お)る、黄色いおっちゃん
やっぱりオンナは黄色くないとね
黄色いオトコなんやし
▲
ケンタッキーのわが家
テレピン油に、たんぽぽのワインってか
角を曲がって、調子ええわいんってか
狙い撃ちや、電線にスズメが三羽止まっとる
一羽ずつな、冷静にテッポで撃ち落としたる
びんびんくるで
頭まで燃えてるわ
びんびんきつうなる
死ぬんちゃうかな
ねえちゃんのスーはずんぐりむっくり
すくすく育つこともなく、育ちきってしもた
ママはブスやていう、身も蓋もないな
パパはかわいいっていう、どこに目つけとんねん
ねえちゃんは夜にならんと外に出してもらわれへん
まあほっとこ、どうでもええわ
おお、陽はふりそそぐ
ケンタッキーのわが家に
若いもんがごろごろしてる家
おお、陽はふりそそぐ
ケンタッキーのわが家に
貧乏はいやや、この部屋入ってこんといてほしいわ
兄貴のジーンは体ばっかり大きいて、かなんやっちゃ
まああんまり言いとないねんけど
ちっちゃいオンナとつきおうてて毎日ぶん殴っとったわ
もうそのオンナ、逃げよったけどな
兄貴、昨日めちゃ酔っぱらって
ママを階段から蹴り落としよってん
まあどうでもええわ、ほっとこ
▲
ローズマリー
ローズマリー、今晩けえへんか?
月も星もきらきらしてんで
中におってもしゃあないで、ぼくにどないせえちゅうねん
そんな高いとこ居(お)って、ぼくはここにおんねやで
降りてきいな、公園散歩しよ
ええぐあいに暗いとこがあんねん
ぐっと抱いたるでベイビー、ぐっと抱いてえな
いっつもおまえのこと考えてんねん
すごい風やな
えらい窓が鳴っとる
名前呼ぶで
たまらんねん、ベイビー
いつでもオーケーやねん、ベイビー
なんとかしてえな
靴ぬぎいな
いっしょに行こ
靴ぬぎいな
降りてきいな、公園散歩しよ
ええぐあいに暗いとこがあんねん
ぐっと抱いたるでベイビー、ぐっと抱いてえな
いっつもおまえのこと考えてんねん
いっつもおまえのこと考えてんねんで、ローズマリー
▲
オイルが要るなら
月もない
星もない
もう閉めなしゃあない
車ぜんぜんけえへんし
ラジオもない
電話もない
退屈で死にそうや
さみしいてかなわんわ
ベイビー、スタンドに来てえな
フロントグラス拭いたるで
オイルが要るんか、オイルも入れたるで
満タンにしたるで、君のタンクをガソリンで
ベイビー、スタンドに来てえな
もう退屈でやってられへんねん
ワインで景気づけしに来てえな
リボンなんか髪に飾ってな
ああ、犬が吠えとる
そや、あいつらかて寒いのがわかるんや
ここはめちゃ暗い、手握らしてえな
ベイビー、スタンドに来てえな
今晩はめちゃ切ないねん
はよ来て、こう、手回してえな
ベイビー、ぎゅっと抱きに来てえな
お願いやベイビー、スタンドに来てえな
もうこれ以上打つ手なしや
ベイビー、眠ってる場合やあれへん
ぼく眠れへんの、わかってるやろ
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