Tex Avery


テックス・エイヴリー、またはアヴェリー。 キング・オブ・カートゥーン。ダフィ・ダックやバッグス・バニー、ドルーピー、ウルフィなど、速くて切れててあせってて醒めてて、うひうひうひうひ、ぶるるるるるる(クチビルを指で震わせること)、はっ、どったの、やあ納税者諸君、なキャラクターを作り、強迫的な追跡劇を山のように作った。自虐や他虐の限りをつくしながら、でもやっぱり「What' s up, Doc?」ってとこが、MSだAppleだLinuxだハッカーだクラッカーだエンクリプトだそれよりアリゾナの洞窟だとインターネットはグローバルブレイン戦争の真空地帯を超整理する現代人の焦燥感と諦念とどっこい生きてるシャツの中的ど根性に(以下略)。

「5フレームあれば観客は何が起こったか把握できる」という、5/24秒認知説(と勝手に名付けておこう)に従い、映像は地球をくまなく駆け回る。そのギャグは映画の枠組みに及び、主人公は交代し、音楽は針飛びし、テクニカラーは終わり、映画は破綻寸前まで追い込まれる。「くだらないでしょ」と看板を掲げときながら、カートゥーン史で使い古されたくだらないギャグも多用する。特に旅ものや未来もの (「... of tomorrow」 )にはその種の一発ギャグが多いが、快調なテンポに釣り込まれてついつい見てしまうこともしばしば。

「TV of tommorow」を見てると、メディアを流れるすべての情報はじつは西部劇なのではないか、って気分になる。いまあなたが読んでるこれ、これもたぶん西部劇っすよ。ところで、彼のいたスタジオのそばには西部劇ががんがんかかってる名画館があったんだってさ。



(98.04.10)



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