Texture Time: 15 Dec. 2003
南彦根 -> 京都
ジョナサン・リッチマンが月と星を歩く足跡はハイハットで刻まれて
03.12.15 12:34
安土へ向かう。
03.12.15 12:35
線路の継ぎ目が繰り返す。
03.12.15 12:35
畑の畦が新しい収穫のために直線になり
03.12.15 12:36
水の輝きをみせては、盛り土で隠していく。
03.12.15 12:36
トンネルが風景を隠す
03.12.15 12:36
加速するために減速する列車のように
03.12.15 12:37
あらわすためにかくす
03.12.15 12:37
次の音に注意を向けるために
03.12.15 12:38
また走り出す
03.12.15 12:38
宅急便と日通のコンテナが繰り返す
03.12.15 12:38
畳屋の看板の上のカラスは東を向く
03.12.15 12:39
車は南へ急ぐ
03.12.15 12:39
列車が追い抜く
03.12.15 12:39
灯籠を並べて人を招く神社
03.12.15 12:39
その横に墓が建つ
03.12.15 12:40
繰り返すことでそこに何かがあることを
03.12.15 12:41
強迫する
03.12.15 12:41
この世に配置された物が繰り返しで誘い
03.12.15 12:42
時間になる
03.12.15 12:42
新快速を待ちあわせる
03.12.15 12:42
並ぶ人の繰り返しを
03.12.15 12:43
繰り返しでないものとして
03.12.15 12:44
近づいてくる高校生の制服のボタンの金色を
03.12.15 12:44
繰り返しでない物として
03.12.15 12:44
向かいのホームに並ぶ
03.12.15 12:45
たつたつすわるたつたつすわるたつ
03.12.15 12:45
立っている人はみんな携帯を眺めている
03.12.15 12:45
携帯の繰り返しではないものとして
03.12.15 12:45
非常停止ボタンはただ一度きりたったひとつの目的のために
03.12.15 12:46
押されるものとして
03.12.15 12:46
ボサノヴァの和音は元に戻ろうとしながら
03.12.15 12:47
必ずここではないどこかにいってしまう
03.12.15 12:47
今日も明日も Beハッピーね
03.12.15 12:48
と告げる美容整形外科の看板は
03.12.15 12:48
今日と明日のあいだに整形を打ち込み繰り返しの可能性を告げる
03.12.15 12:48
一階を経由せず二階にいくための階段を持った家のベランダで
03.12.15 12:49
シャツを干す女
03.12.15 12:49
適切な繰り返しによって物欲しに物干される干し物のように
03.12.15 12:49
くりかえしえないこと、もうもとには戻らないこと
03.12.15 12:51
今度書かれる年賀葉書はもう去年の年賀葉書ではない
03.12.15 12:51
次に到着する野洲はもう以前の野洲でない
03.12.15 12:52
次におされるタイムスタンプはもうさっきのタイムスタンプではない
03.12.15 12:52
送電線のたわみのように
03.12.15 12:54
考えをたわませ
03.12.15 12:54
さきほどの考えをゆるませ
03.12.15 12:54
弛緩によって緊張させる
03.12.15 12:55
ホームで本を読む人は北を向いている
03.12.15 12:56
陽射しは列車の左から射している
03.12.15 12:56
収穫物と同じ緑色のパーカーを着た老人がゆっくりと自転車をこいでいく
03.12.15 12:57
白菜が葉をのばしている
03.12.15 12:57
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