ぎっくり日記 2018.01.05-08

1/5-8 回復期

1/5
 整体に行く。大腿から腕近くまでかなり広範囲にわたって筋肉が張っていた。ギックリ発症以来の負担のせいかもしれない。いちばん効いたのは大腰筋のつけねあたりへの指圧で、やはりこの筋肉まわりが炎症をおこしていたのだろうとのこと。あちこちおしてもらって大分ほぐれた。
 知人に腰痛バンドをすると楽だと教えてもらい、さっそく購入。着けてみると、これはなるほどよい。これまですぐに音を上げていた座位での仕事がわりと長続きするようになったし、立ち座りの運動も大分楽になった。

 あと、ビロウな話だが、排便が楽になった。実は排便でいきむときに、けっこう腰に(というか、大腰筋をはじめそのまわりに)力が入り、それが痛くて便の出やキレが悪くなっていた。排便というのは、肛門括約筋だけではなく、腰も使っていたのだな。トイレ介助などで、お年寄りの便がなかなか出ないケースには、こういうこともからんでいるのかもしれない。

1/6
 夕方、バスと新幹線という、高いハードル。新幹線は、いつもは窓際をとるのだが、今回は通路側をとった。通路から奥の席に立って横から移動というのは、ちょっと無理な気がしたからだ。

 幸い、新幹線の指定席は思ったより(飛行機のエコノミー席より)前があいていて、通路側ならそんなに苦痛ではなかった。ただし、隣の席が空いていなかったら、ちょっときびしかったかもしれない。

 弾き語り演奏はやはりちょっと腰にくる。特にガットギターを膝に乗せて弾くのはかなりキビシイ。いつもは膝を組んで高さを作るのだが、この姿勢はいまの腰ではイテテテとなる。よくクラシックギターの人などが、右足を台に乗せて演奏しているが、あの便利さがよくわかる。コーディネーターの海月猫さんがコンクリートブロックを持って来てくれたので、これを台にして引く。なんとかやり終える。腰痛バンドのおかげもあるが、基本的に音楽をやっているときは、痛みはあまり前景化しない。

 紙コップスがELPのカバーをやってるのをきいて、その身体能力がうらやましく思う。この感心のしかた、腰のせいか。打ち上げの場に円盤の田口さんがいて、大きなトランクにレコードと書籍をびっしり入れているのを見て、思わず「腰大丈夫ですか」ときいてしまった。なんでも腰。久しぶりに酒を飲む。

1/7
 名古屋から仙台に移動。30分ごとにゴミ捨てしたりトイレに行ったり伸びをしたりいろいろやりながら車内生活。さすがに東京で新幹線から降りるとき、かなり腰にきた。ずっと腰痛バンドをしているので腹が苦しい。車内で卒論を読んで添削。

 それにしても、年末には、起き上がって歩いて移動なんて考えられなかったが、けっこういろいろできるようになってきた。回復期、という感じ。ここからはリハビリ・モードだと考えて、痛くない範囲でいろいろやってみる。仙台では最初タクシー移動にしていたのだが、1kmくらいなら歩いてみるかという気になってきた。

 工藤夏海個展楽し。一時間くらい立っていたが平気。というか、座っているより立っているほうが楽。偶然、友部正人さんご夫妻に再会する。友部さんも腰で苦労されたそうで、あれこれコツを伝授していただく。火星の庭で、ユミさんが気遣って、肘掛けと背のついた椅子をすすめてくださった。これはありがたかった。丸椅子ではさすがに持たなかっただろう。行楽猿、人形劇、八千草合奏団の演奏をきく。休憩で必ず腰を上げて伸ばす。打ち上げ会場もてくてく歩いていき、てくてく帰った。よしよし。

 ここのところ睡眠不足ぎみ。寝返りで睡眠が浅くなっているせいだろう。

1/8
 朝から原稿を書いて休んでまた書いて。新幹線が混んでおり、自由席の通路までいっぱい。これで東京まで移動するのはさすがに無理だ。座れる便まで40分ほど待つ。車内で夜の会に向けて、クリッチリー「ボウイ」(田中純訳/新曜社)を読む。巻を措く能わず。田中純さんのルビを駆使した訳もすばらしい。特にnothing I can do を頭から訳す工夫。それにしても腰、けっこう持続力が出てきた。

 夜、「ボウイ」出版記念の会。スピーチで、ボウイの声について思いつきをわーっと語る。祖父江慎さんにフォントの話をあれこれきけたのも楽しかった。