会話やジェスチャーの分析でしばしば問題になるのが、発語やジェスチャーの重複です。どこからどこまでが重複しているのかその秒数を知りたい、発語のどの部分かおおよそわかるといいのに・・・などなど。
結論から書くと、発語のどの音で(ジェスチャーのどのポイントで)他の行為と重複が起こっているかは、結局じっさいに自分の目と耳で確かめるしかありません。とはいえ、この作業にも、ELANは役に立ちます。ELAN上で気になる発語(ジェスチャー)を再生して、他の発語(ジェスチャー)に耳を澄ませば(目を凝らせば)いいのです。
この作業は非常に重要で、とくにマルチモーダルな関係を考えるとき、さまざまなヒントを得ることができます。
ELANには、重複部分の長さを検出する便利な機能がついています。「Tier-> Create Annotation from Overlaps」(注釈層→前注釈終了時点から新規注釈を作成)を選んでみましょう。
二つの注釈層を選ぶように言ってくるので、重複部分を知りたい二つを選び、適当な名前で新しい注釈層を指定してやります。すると、新しい注釈層に、重複部分と、重複の長さが表示されます。おお、これは便利だ。
なんのことかわからない、という方は以下の図でどうぞ。