●大量テキスト時代におけるカットアップの意味

ネットワークを行き来する膨大なことば。
メディアに収められた大量のことば。
たとえばあなたは、最近手に入れたCD-ROMに収められたことばを
すべて読みましたか？ Read meも、マニュアルも、
いやそれどころか「必ずお読み下さい」すら読まなかった、
そうでしょう？

わたしたちは、労せずして大量のテキストに埋もれることに
なりました。この時代に、目の前に現れる文章のすべてを読む
などということは、もはや到底不可能なことです。

そもそもわたしたちは、読む=知識を蓄えるなどといった
地道で報われない作業から逃れるためにネットワークに
アクセスしているのではなかったのでしょうか。
必要なものは知識ではありません。
そんなものはディスクにでも食わせておけばいいのです。

ディスクにではなく、脳に書き込むべきものはなにか。
知識ではなく、知識と知識をつなぐ新たな結び目。
感覚と感覚をつなぐ新たな結び目。
ある手がかりから別の手がかりを呼び出すための新しい呪文。
それが、わたしたちの脳に書き込むべきことです。
ABC順やアイウエオ順のURL？お友達のリンク？
そんなものは盆暮れの住所印刷にでも使えばいいのです。
テキストのあらゆる場所に発見されるリンク、新たな結び目を
発見するためのツール、それがカットアップです。

●「Dr. Burroughs」Macintosh版について

「Dr. Burroughs」Macintosh版は
単に文書をカットアップするだけでなく、
カットアップのプロセス、つまり切り貼り感覚を
臨場感豊かに表現しております。
電脳鋏と電脳糊が織りなすファンタジーを
心ゆくまでお楽しみ下さい。


（1993 Dec. Dr. Burroughs Mac版ドキュメントより(一部改訂)）

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