- 19990922
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大学院入試の面接。ぼくは入口を示すだけで扉を開けるのは学生。院生が増えてお互いに刺激を与えあってくれるのはありがたい。しかし、コースに10人教官がいて、院生のほとんどがうちに集中するってのはどうしたもんか。
小川珈琲で近さんと、菅原さんや岡安さんの本の話。
ビバシティシネマで「マトリックス」。格子戸をくぐりぬけ見上げる夕焼けの空に、この世を牛耳るあの世を見た「キアヌの城下町」。どろにちゃの子宮から生誕した救世主様は、死んだと思ったらトリニティのキスで復活して気に入らない奴を皆殺しにしましたとさ。いやあすごいなあ、アメリカって国は。単純な陰謀史観で裏返された千年王国。で、銃乱射ですか。あ、薬莢がきれい。萩尾望都/光瀬龍「百億の昼と千億の夜」で育った人間にはついていけまへんわ。
物語はともかく、視覚効果的にいくつか。拡大文字、揺れる文字テトリスたのし。エレベーターが伏線敷きの道具として出てきた(扉が閉まり際、ホールでうずくまっているホームレスを、向こうに見せることで伏線にするやりかた)。あと垂直移動と水平移動のカットの組み合わせ。静止したままぐいーんとアングル変える手法(これなんてカメラで撮るんだっけ?)は、最早CMで使い倒されているが、ステレオグラム的にはヒット。プルヒリッヒ効果使うとたのしかろう。マトリックス世界の解説の中に認識者であるキアヌ自身が入っているのはフヌケ。こうした認識者対被認識世界の表現はマリオ64やゼルダ64の方が巧み。
ウェイガイキアヌ。「ビルとテッド」の「No way!」「Yes way!」のやりとりによって、キアヌはウェイガイ=求道者であることを刻印された。今回トリニティ様が示す選択は「This way or High way?」。ハイウェイ選んだらマトリックスじゃなくてスピードになっちまうだろうが。
しかし、こうしたあからさまなウェイの選択の場面よりも、たとえば、ドアノブを握ろうとして、そこに映りこんだ影に一瞬躊躇する場面の方がぐっとくる。あ、そのクッキー食べていいのかな。気づいたらフラグを倒しちゃってるのが人生よ。
啄木日記を改めて通し読み。
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